愛されることの奇跡、愛することの軌跡
「でもそのおかげで、向こうのお父様に会えたし」


『そう言えばお父様が言ってた。健吾くん、来週の土曜日が誕生日なんだって?』


『はい。25になります』


『25歳かぁ。若いっていいねぇ。で、お父様はその日にみんなでお食事でもって言ってたけど、断っておいたから』


「何で?」


『当然じゃない。あんたたちが付き合い始めて初めての健吾くんの誕生日でしょ?ふたりで過ごすのが一番ですからって言ってやったけど、おふたりさん、よろしい?』


『はい、大丈夫です。来週、玲奈さんと過ごします』


『お前も受験勉強の息抜きにいいんじゃないのか』


お父さんがそう言ったものの…


『でもさ、受験勉強の息抜きが担任とのラブラブって、ちょっとおかしくね?』


陸は健吾を見てニヤニヤしていた。
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