愛されることの奇跡、愛することの軌跡
以前の俺は、1人の女性に執着するなんて有り得なかった。


大学生の頃、それこそ井上先輩とツルんでいた頃の俺は、本当に酷かった。


偽名を使って、時に年齢を誤魔化し、夜の世界に足を、その世界にやはり身を投じている女を狙って次々と関係を持った。


夜の世界の女なら、口が固い。


それに同じ女とは二度とヤラなかった。


女なんて性欲の捌け口。一瞬の疑似恋愛を求めただけ。


セックスの仕方なんて、女にしてみれば最悪だと思う。


1人よがりでしかないものだったから。


1度終われば満足し、女が寝ている間にホテルを出る。


そんな毎日だった。


紅葉のことを忘れられず、新しく恋をすること、人を愛することに、すっかり臆病になっていた俺。
< 400 / 548 >

この作品をシェア

pagetop