死神
日常
死神って知ってる?
ドクロにボロボロのマント、あとは大きな鎌。
あたしもあの時まではそう思ってたよ。
でも違う、死神って子供くらいの大きさのちょっとおとなしめの男の子<たぶん>。それに全身黒のスーツに黒縁のメガネ。
猫が苦手でみかんが大好き。
これが死神。
そんなの違うって?
いや、これが死神。
あたしは見たんだから・・・・・・・



「もっと早く歩いてよー。このままだと遅刻だよ?みさき!」
「えーほんとに?わかった!学校まで走ろうか!」
私の名前は遠藤みさき、別にどこにでも普通にいる高校二年生だ。

キーンコーンカーンコーン
始業のベルがなる。
「もー結局間に合わなかったじゃん!おぐりんもあんなに怒らなくてもいいのにね。」
「ほんとだよー月曜日の朝から萎える。最悪、死にてー」
「激萎えだよねー」
この子は御堂麗華あたしのおさななじみで親友。
「あっ!おぐりんはいってきたよ。」
ガラガラ
教室のドアがあく
「はい、みんなおはよう!あさのホームルームはじめるぞ!」
おぐりんこと小倉光晴、生活指導の先生であたしの担任。28と若くてなかなか生徒からの人望もあつい。
「今日も一日元気よく行こう!」


学校が終わって放課後
あたしは麗華を含む女友達3人と談笑していた。
恋の話に、最近駅前にできたファミレスの話、イケメンの芸能人の話。
いわゆるガールズトークとでも言うのだろうか。
どこの高校生でも普通に話すような内容。
そう、私はほんとにどこにでもいるような普通の女子高生なのだ。
「ねーみてみてーこのプリの全然もれてなーい、こんなの彼氏に見られたら普通に死ねるー」
「いやいや、そんなんでしなないから。」
「そうだよ。」
「そんなんだったらうちだって今日親と喧嘩してさーほんとうざいっての。もうめんどくさいよ。死にてー」
「あんた全然話つながってないよ。」
「そう?」
「そうだよー」
「うん、そう。」
「おい、お前ら、そんなにしにたいしにたい言ってるとほんとにしんじゃうぞ?」
「あっおぐりん。」
「もーおぐりんは女の子の会話に入ってきたらダメだよー」
「あーわかったわかった。いいからもう、お前ら早く下校しろ。もう下校時刻すぎてるぞ。」
「はーい」
「おぐりんまた明日ねー」
「ああ」

あたしは登下校は麗華と毎日二人だった。
「そういえばさーみさき最近彼氏とどうなの?」
あたしには付き合ってもう二年になる彼氏がいる。
だが、最近はうまくいってなかった。
「んーなんか最近はダメ!すれちがってばっかり。」
「そっかーいろいろ大変だねー」
こんななんでもない話をしながら帰るのが日課だった。

麗華と別れて5分ほどで自宅につく。
「ただいまー」
玄関を開け靴を脱いで上がろとすると聞きなれた声が響く。
「おかえりー」
母だ。
「ちゃんと靴、綺麗にならべておきなさいよ!」
「はーい」
返事は適当にするが言われたとうりにきちんと並べなおす。
うちの母は怒るともう手がつけられない。
一度起こると30分はほとんど半泣き状態で叫ぶように起こるのだ。
小さなことでいちいちこうなってはたまらないので私は母にはたいてい逆らわない。
そそくさと自分の部屋に入り音楽を聴きながらベッドでゴロゴロしているとケータイの着信音が鳴った。
メールだ。
差出人は彼氏。
どうしたんだろうと疑問に思いながらメールを開く。
<ちょっと大事な話あるから今から電話できる?>
ついに来たか。
私は別れ話だと直感した。
だけど私はまだ彼のことが好きなのだ。
できることなら別れたくない。
そんな思いにかられながらメールを返す


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