君の居場所


全身に震えが走る。

が、学校に行かなきゃ。

どうにか、さっきの記憶を奥に閉じ込める。

もう2度と出て来ないように。

自分自身に暗示をかけた。

そして私は家を出た。



「おはよー!」



誰だろうと思い、後ろを振り向けば、忍が立っていた。

やっと学校に着く、そんな時だったから

うっとうしくてたまらない。

だから素っ気無く返事をしてやった。



「ああ」



ざまぁねぇな。

シュンとして、背中が小さくなっている。

というか、気になったんだけど、

何で忍のシャツは長袖なんだ?

聞いてみるか。



「なぁ、忍。

お前、何で長袖のシャツなんだ?」



ビクゥ!

忍の過剰な反応に、私は目を凝らす。

何かまずい事でも言ったのかな?





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