空の誓い、海との約束
◇ ◇ ◇
「シエル様」
誰かに肩を叩かれて僕は目を覚ました。
「このような所でお休みになられては、お風邪を召されますよ」
綺麗な翠の瞳に微笑まれて、僕はのろのろと起き上がる。
「……僕、眠ってたんだ?」
寝ぼけ眼で周りを見回した。議会から帰って来て、執務室のソファに倒れこんだ――以降の記憶が無い。
「連日徹夜で頑張られましたもの。無理もありませんわ」
口を開けば皮肉が出てくるダグラスと違い、マリーは僕を労ってくれた。その優しさが身に染みる。
「とうとう臨月に入ったからね。僕が頑張らないと」
結婚して五年。僕達だけでなく国民からも熱望されていた第一子を身篭ったエミリアは、いよいよ臨月に入った。
侍医からストップが掛かって以降は、僕が彼女の代理として執務を行っている。