空の誓い、海との約束
 綿飴を食べながら海を見に行って、停泊中の漁船を見学して。

 初めてのお忍びをすっかり堪能して家に帰ると、明らかに怒っているダグラスが居間で待っていた。

 どこに行っていたのか尋ねた後ずっと無言だったダグラスの雷は、夕飯の後部屋に呼ばれたリフの上だけに落ちた。

「久しぶりに親子喧嘩したのね」

「ダグラス様と親子だなんて、恐れ多いです」

「そうね、叔父と甥だったわね」

 殴られたらしいリフの頬に当て布をしながらマリーが笑った。その様子を、部屋を抜け出した私は陰からそっと覗き見していた。

「それに、ダグラス様が反対する事は予想していました」

「そうね」

 マリーは労わる様にリフの頬を撫でた。こうしていると二人の方がよっぽど親子みたい、と思いつつ私は会話を聞いていた。

「私も知りたいわ。身を隠す為に来た島で、姫様を外に連れ出したのはどうしてなの?」

 それは私も知りたい。息を潜めてリフの答えを待った。

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