ブラックレター~高嶺の花に恋します~




それは私も考えていた。

だって何もしなければ、今と何も変わらない。


私としては今日映画を観に来れただけでも大分上出来なんだけど。

でも一般的に見たら何も出来ていないのと同じだろう。


自分の一歩が周りからしたら小さすぎる一歩だということは十分理解しているつもりだ。

私は人の何十倍も努力しなければ、同じスタートラインには立てないのだから。


だから絢子の言う言葉はよくわかるし、言いたいことも理解できる。




「でもさ、うちら一般人じゃん?」


「うん」




できる、けども。




「しかも真麻、特別可愛いわけでもないじゃん?」


「……うん」




それでも、最後のその言葉に一瞬殺意がわいた私は絶対に悪くないと思う。




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