裏表ガールも恋をする


だから、いきなり楓が家にきたときには、驚いたけど、嬉しかったんだ。


楓と、必要以上は話さなくなった日から、もう1ヶ月以上が経とうとしていた時だった。


家のチャイムが鳴ったことで、私は部屋からおりて行った。

その日はちょうど、家族が誰もいない日だった。



『はーーい?………え?』

「お邪魔しまーす。結菜ママは?」


『い、いや、今日はみんな留守。って、どうしたの楓?』

「あー。留守?んじゃいっか。部屋上がるよー。」


『ちょ、え?楓!?』


楓は、さっさと靴を脱ぐと玄関の鍵を楓がくるまでのように閉めて、私より先に部屋へ上がって行ってしまった。


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