Goodbye My Baby
全て崩れてしまう。

怖い。

失いたくない。





足をがくがくさせながら、家に帰った。

両親はまだ帰宅していない。


いつもそう。

お父さんもお母さんも、いない家。


授業参観も、体育祭も、一度も来てくれなかった。

でも、私に期待してくれた。




『桜はすごいな』

『さすが私たちの子ね』








親からの期待。

みんなの羨望の眼差し。

先生たちの信頼。






何も失いたくはない。






「あ・・・ゆ、優哉に・・・言わなきゃ」



震える手で、ケータイの番号を呼び出した。

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