お向かいさんに恋をして
「さくらちゃん!
人生初の一目惚れ、おめでとー!」

私に向かって、色とりどりの紙テープが飛んできた。

あぁ、まだ片付けすら済んでない部屋が、なぜか散らかっていく……。

留奈さんそのクラッカー、どこから取り出したんですか……?
と言うか、一目惚れおめでとうって、なに?

「え、いや……。だから、あのぅ……」

「恥ずかしがらなくったっていーじゃない!
もっと話、聞かせてよー!」

人の恋愛話を聞くのはいいけど、自分のことを聞かれるのは恥ずかしくて苦手。

だから誰にも知られたくなかったのに、早速バレてしまった。

目を輝かせながらグイグイ質問してくる留奈さんに、根掘り葉掘り聞かれる。

「真っ赤ねー。ウブねー。
ほんっとにかわいーんだからー」

「本当にずかずか聞くんですから……」

「やーね。ずかずかなんて人聞き悪い!
ま。その通りかー!」 
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