お向かいさんに恋をして
「まぁ取り敢えず、ここに突っ立ってても仕方ないし、そろそろ講義始まっちゃうしさ。

それ終わったらどっか落ち着けそうな場所にでも行こうよ。
ゆっくり話し聞くよ。ね、そうしよ?」

きなこちゃんに言われてハッとする。

周囲を見渡すと「なにやってんだ?」とでも言いたげにこちらをチラチラ見やる学生達が、私達の脇を通りすぎて校内へ向かっている。

校門の中心で立ち尽くし、しかも抱きついていた姿は、通行の妨げになっていた上に、大いに目立ってしまっていたようだ。


「そ、そうだね。なんかごめん」

「謝ることないって!
あ、でも急がなきゃまずいかもっ! 行こっ!」

「うんっ!」

私達は急いで校内へ向かった。
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