運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
☆1章☆ 高校2年生編

運命の始まり



【優姫】


5月。


私が高校2年生になり1か月が経った、ある日。

「優姫、ちょっと話があるの…」

「うん?」

母さんに呼ばれて、食卓のテープルの椅子に座る。

「母さんね、父さんと離婚したの…」

「え…?」

突然の母さんの『離婚』という言葉に頭が真っ白になる。

父さんは、有名な大企業会社の『雨宮グループ財閥』の社長。

その会社が海外にもあるため、日本と海外を行き来している。

と、言っても1年の半分以上が海外。

「ごめんね、優姫。だいたい、私が『海外には行きたくない』って言ったから。…父さんとの『心の溝』が広がっていって…本当にごめんね…ひくっ…」



…嫌だ。


大好きな父さんと母さんがバラバラになるなんて…


「母さん…大丈夫だよ…」

私は強がりを言って、涙を流す母さんを抱き締めた。


…母さんを困らしたくない。


それは、私のワガママだから…


「優姫、あなたの親権は父さんにあるから今まで通りにここで生活しなさい。と言っても、ほとんど1人暮らしになるわね…」

「え…?母さん、このウチを出て行くの?」

「…うん。生活費とかは、父さんが海外から送ってくれるから大丈夫よ」


…ちょっと、待ってよ!!


母さんは私を捨てるの?


どうして、勝手に決めるの?


私の『気持ち』はどうなるの?


もう、わけがわからない…


けど…


「わかった…」

私は母さんに小さく言った。

『傷ついた心』を隠して…


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