運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~

放課後には、ヒミツの答えとキスを…。



【優姫】


6月。

私と枢が一緒に住み始めて、3週間が経った。

「あっ、枢。ここでいいよ」

「ああ…じゃあ、後でな。優姫」


―――バタン。

もう3週間前からお決まりの会話をして、私は車を降りるとそのまま枢は先に学校に向かう。

『少しでも一緒に学校に行く』というのが、私たちの日課になった。

帰りは今まで通り途中まで、樹里と陸と一緒に帰る。

ちなみに、1週間前に枢とお義父さんのことは内緒だけど…母さんの『離婚』と『再婚』の事を2人に話せた。

…本当によかった。

枢とお義父さんのことは、話せる時が来たら絶対に話すからね♪

そう思いながら、歩いて学校に向かった。



教室。


「おはよ♪優姫」

「よう、優姫」

「おはよ。樹里、陸」

いつもように、2人に挨拶をして席に座る。

「ねぇ、優姫」

「ん?」

「最近、なんかいい事でもあった?」

「ちょ、なに…急に!?」

ちょっと、直球な樹里の問いかけに焦る。

「だって…5月の始めにおじさんとおばさんが離婚して、ショックだったんだろ?」

「あっ…うん」

私は陸と樹里に頷く。

「なのにさ~~~。お前、そんな事なかったみたいに俺たちに報告をするし…」

「元気というか、生きいきとしてる♪」


…えっ、私…そんなに『幸せオーラ』みたいなのが出てたてこと!?


ちょっと、ヤバいかも~~~!!


「…んで、新しいお義父さんとは上手くいってるの?」

「うん、母さんとお義父さん。もともとは『幼なじみ』だったみたいで凄く仲がいいよ。私のことも本当の“娘”のように可愛いがってくれてるんだ♪」

「そういえば、優姫。上に兄貴が2人できたって言ってなかっけ?」

「うん。そうえば、言ったっけ?」

「言った!…そろそろどんなヤツか教えろよ」

「私も知りたい!!」

私が2人の問い詰めにどうしていいか焦っていると、ある人の声が耳に入ってきた。

「なにを騒いでるんだ?お前ら」

「かな…先生」

つい、名前で呼んでしまいそうになる。

「あっ、切先(きりせん)。おはよ♪」

「よう、切先」

「おはよ。…んで、なんの話をしてんの?」

「なんの話って、切先も知ってるんでしょ?優姫のお母さんの再婚で上に2人の”お義兄さん”ができたこと」

「ああ~そのことか…」

枢はチッラっと、一瞬私を見た。

「…でさ、優姫ヤツ全然教えてくれねぇんだよ」

「へぇ~俺も気になるな。雨宮、どんな”義兄貴”たちなんだ?…俺よりもカッコイイの?」


…枢、その質問はなんなのよ!?


あなたがその”本人”でしょ!!


意地悪。


「…はい。先生よりもずっとずっと、カッコイイですよ♪」

私はわざとニコニコしながら、枢にそう答えた。

「それはよかったな♪間宮。さてと、話は終わり。出席を取るぞ~」

そう言って、枢は教卓に立った。



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