僕のとなりで。
『やりたいことって、すぐ見つかるものじゃないし、あたしだって、働いてはいるけど、やりたい仕事かどうかは今だに分からない。だから、ゆっくりでいいと思うよ。せっかく前向きになれてるんだから、適当に妥協して働くんじゃなくて、ちゃんと自分のしたいことをして欲しいなぁ。』

サヤカのこういう言葉に、いつも僕は安心する。

そして、さっき言いかけた言葉を伝える。

『仕事決まったら、結婚したいと思うんだ。サヤカと…。』

照れてサヤカの方を見れない。

『…。』

返事がない。

不安になってサヤカの方を見る。

涙を流し、微笑むサヤカが口を開く。

『そういうことは、ちゃんと目を見て言って。でも、リョウくんらしいから許す。てか、リョウくんが照れる時って、本気の時だもんね…。ありがとう。うれしい。ずっと一緒にいて下さい。』

僕がサヤカを見るまで、待ってたみたいだ。

『あ、でも、あたしと結婚するために焦って就職とかしないでね。あたしは、リョウくんと笑っていたいから、ムリとかガマンとか、絶対にしてほしくない。』

サヤカの言葉に、恥ずかしいけど涙が出てしまった。

『絶対幸せにするから、俺の隣で笑っててね。』

静かに微笑むサヤカが綺麗だった。
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