桜思い出す頃
11章
俺たちは若菜を探しに出た。



でも、手掛かりもないんじゃ厳しいから◯市の人に聞き込みをした。







すると…




「あっその子ならこの前公園で見たよ?」



おばさんが答えてくれた。





俺たちは公園の場所を聞いてその公園に向かってみた。




「なあ、人影見えねーか?」




大志が言うと確かに人影が見える。



俺らはその人影が見えて走っていった。





「わ…かな?」




振り向くとそこには若菜が居た。




痩せ細って、見てられないくらいにボロボロになっていた。





「なあ?若菜……だよな?」




「違います。えっ……と、誰ですか?」





正直、ショックだった。


顔も声も若菜なのに、俺たちをもう忘れたのかと思うと涙が出そうになった。




「若菜。俺たちを忘れたのかよ?大志だよ。こいつは悟だよ」




「ごめんなさい。分からないです。」





若菜は俺たちの事を本当に忘れたんだな……






「忘れるわけないよ……大好きな人が目の前に居るんだから」






誰にも聞こえないくらい小さい声で若菜は呟いていた。







「ん?なにか言ったか?」







「いや…なにも?」






俺たちは、若菜じゃないと知り、その場を去った。












若菜が俺らが去ったあとに泣いてることも知らずに……







「なあ、さっきの子、若菜じゃないにしてもあんなボロボロの子見捨てていいのか?」


大志は、心配そうにきいてきた。



確かにあの子は本当にボロボロだ。






「戻ってとりあえず、色々きいてみるか。」






そして俺たちは、公園に戻るとその子はなにやら、独り言を喋りながら泣いていた。







「……さ、…とる…


ご……めん…ね」





「おい、今悟って言わなかっ…おい」




俺は大志の言葉を無視して、走り出した。










「若菜。やっぱり若菜なんだよな?」






泣いてる若菜は弱々しく言葉を発した。





「な…んども…言うように、人違い…です。」





「じゃー、なんで…俺の名前を呼んで謝ってたんだよ…」





すると、若菜は黙り混んだ。





「大志、みんなに連絡して?


んで、今日のとこは二人にしてくんねーか?」




大志は分かった。と言い帰っていった。







「さ、てと…若菜?

まだ、言いずらいなら言わなくてもいいけど、とりあえず今日は帰らないか?」






「帰る所なんかない…。」




そうか。こいつ今家がない…んだよな?





「ある。俺ん家にいくぞ。あっ別にやましいことは一切ないから」





「だめ。私はみんなを裏切った。みんなに迷惑をかけた。もう、帰れないよ。」






「なーにゆってんだか。みんな若菜の帰りを待ってるよ?まず、若菜が居なくてみんなぎくしゃくしてる。


なあ、若菜?俺言わかなかった?若菜を大事にするって。


好きな人に頼られるって嬉しいじゃん。
みんな頼ってほしかったんだ。




若菜の事情で若菜が一人で抱え込んでるのに気付けなかったのは、俺がまだ、弱いからだし。



でも、一人で抱え込まんと頼ってほしかった。


とりあえず、帰るぞ。」





若菜は何も言わなかったが、今日は俺の家に泊まることになった。






そして、次の日、学校が終わり若菜が待ってる家に帰った。



もちろん、みんな一緒だ。



部屋に入り、若菜を見つけて一番に声をかけたのは、葵と夏蓮だった。




「「若菜。心配したんだよ。」」



二人の息がぴったりで、本当に心配していたのが分かるぐらい二人は泣いていた。





若菜は、ごめんね?とだけ言い俯いていた。



「若菜。なんで私たちに隠してたの?正直ショックだった。




でも、そんだけ苦しんでたんだよね?
辛かったよね?



ちょっとずつでいーから私たちのこと信じて頼っていってくれない?」




夏蓮がそう言うと、みんな頷いていた。






「ごめんね。今は話せる状態じゃない。


だから、落ち着いたらちゃんと話すね」






夏蓮は分かった。とだけ言い今日は解散した。





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