ホストの憂鬱
新章
まずはプロローグ的なことから語ろうと思う。あの祭のあと、俺と愛ちゃんは、同棲を始めた。

きっかけなんてないに等しかった。「キョン、ここから通いなよ」と愛ちゃんが言った一言。

それがきっかけだった。それからムーンにも驚くことが起こった。

世代交代。水商売では、よくあることらしいが俺達はあまりにも唐突に告げられた。

五月の一日、ロビンさんはみんなを集めて言った。

「本当は誕生日の後にいうはずだったのですが…僕たちは昨日を持って引退します」

僕たち!そう針生さんもだった。

それからマネージャーにガクさんが就任した。つまりマスター的な存在のいない店になり、半数の顧客を失うことになったのだった。
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