いちごみるくと恋わずらい


生徒会室を出るとき、背中に受けた西野の言葉。


西野はいつだって正しいことしか言わない。


それはとても頼もしいが、今日ばかりは辛かった。



『分かってたつもりだった、の間違いでしょ』



西野に言われなきゃ気付かなかった自分が本当にバカだ。


思わず強く唇を噛む。


……これを見て、彼女はどう思うだろうか。


考えないようにしていた不安が、生徒会室を出て廊下を歩いているうちに顔を見せてきて、俺は今日何度目か分からない、大きなため息をついたのだった。

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