天才極甘党系男子



しばらくして、濱さんが戻ってきた。


「お待たせ」


「全然大丈夫です!」


「んで…どうした?」


わたしの向かいの椅子にまた座って、
エプロンを解きながらわたしに聞く。


だからわたしは全部話した。


颯佑の過去を友だち経由で知ったこと。


それを弁解に来ていたこと。


颯佑の中ではまだ忘れられない人がいるということ。


「その颯佑って人のことどう思ってんの?」


「……普通」


「ただの婚約者?」


「はい」


「それなら別にどうでもよくない?
普通でただの婚約者なら過去とか直接話されなかったことでいじけないし、忘れられない人がいるからってもやもやしないでしょ」


「後者は良心が痛みます」


「あのなぁ。それはどっちでなんだよ」


どっち?


どっちってどう言う意味?



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