天才極甘党系男子



『どう?あの子』


『普通に仕事も覚えるのが早いし、正規に雇ってもいいくらいだと思う』


敬語じゃない…。


いつもの2人とは違うみたいだ。


『ごめんね、任せちゃって』


『いいよ。まだ立ち直れてない部分もあんだろ?』


『立ち直れて入るさ。そんなに女々しい女じゃない』


『あんまり強がんなよ。俺、戻るから』


そう言って歩く音がして。


しばらくしてからため息を吐く音がした。


わたしは完全に出ていくタイミングを失った。


いや、ここは何も知らなかったように出ていくべきだよね。


2人はみんなの前とは違って。


実は親密な関係であるということを知らないように。



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