恋の授業。
ホクロメガネと話すときは、自分の思ったことを言えてる。
もちろん【約束】ではあるけど、無理ならそんな約束守らない。
ワタシだって……言える。
意を決して、想いを言葉にした。
「でも、森川君…元気なくなった。」
どんな顔をするだろう。
「え……」
短く発せられた言葉と同時に、森川君の大きな目が更に大きくなっていった。
「何か、気に障ることがあったなら、教えてほしいの。」
緊張で声が震えそうになるのを必死で隠しながら、もう、言ってしまえ!という気持ちで最後まで一気に言葉にした。
「ワタシの悪かったところは謝りたいし、もしまた誤解とかあったら嫌だしっ!」
森川君のベルトにあった目線を、恐る恐る上げていく…
30センチ高い位置にある大きな目までたどり着くと、さっきまで垂れていた耳が嘘のようにピンピンしている。
満面の笑みを浮かべる森川君を見られたことに、心を埋め尽くしていた不安は一瞬で消え去って行った。