恋の授業。



どれくらい時間が経ったのだろう……



ワタシの頭も、気持ちも、だいぶ落ち着いて顔の火照りが薄れていくのを感じ始めた頃、ズサッという音でホクロメガネが立ち上がるのがわかった。




そう言えば…
こうして泣いていた間、ホクロメガネは一言も発さなかったし、帰ることも、近付くこともしなかった…



立ち上がったホクロメガネの存在に改めて気づいて、恥ずかしさで顔から手を離すことが出来ないでいると、右隣に座った気配がする。




泣かせたと思っていつまでも一緒にいるんだろうけど、そんなことどうでもいいから早くここから居なくなってほしい…




そう思った瞬間…

顔を覆ったままのワタシの手を

暖かい大きな手が包み込んだ。

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