満たされる夜
「これ、まとめておきました。チョコレート食べないんですか?私もお金出してるんですけど」


「アレは俺が手を出すものじゃない。分かるだろう」



思わず吹き出しそうになってしまうのをこらえる。
課長は誰が見てもとっつきにくいし、ストイックそうにも見える。

だからこそ二人でいるとき、私に気を許すこの人が好きだ。



「課長、眉間のシワ。消えなくなりますよ」



私がそう言うと課長は眉間をぐりぐりと揉んでいた。

45歳、独身、仕事の鬼。


私の恋人。






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