一夏の花


「知ってるわよ」


 彼女は一瞬引き攣った笑みを浮かべて。


 その取ってつけた笑みで嫌な部分を思い出した。同じ日に同じ病名を聞かされた、彼の部分を。


「そっかぁ」
 溜め息と一緒に吐き出す言葉は重い。
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