Unchanging Love

帰り道

「知らないのゆきなだけだよ?」


「だって、誰もそんなこと言ってなかったじゃん!」


「あたしが言った!ゆきなが聞いてなかっただけ!」


学校からの帰り道、くるみと堂本樹のことを話していた。


堂本くんは外部からの編入組で国際科に入ったらしい。


入試もトップだったそうで、それで優ちゃんが学級委員に抜擢したんだって。


「それにしても、堂本くんかっこいいよね!」


「うん、顔はかっこいいと思う。性格はどうか知らないけど」


「顔もよくて性格もいいの!一緒に学級委員の仕事して思わなかったの?」


「まぁ、仕事は多少出来るみたいね」


あの後、LHRで優ちゃんが学級委員の仕事だと言って、残りの委員決めを私と堂本くんに押し付けた。


「うそ!ゆきなが嫌な顔してたから、ほとんど堂本くんがやってくれたんでしょ?ゆきなはすぐ顔に出るんだよ!」


少なからず面倒だと思っていた私の気持ちを表情から汲み取ったのか、書記を私に任せ、司会などほとんどを堂本くんがやってくれた。


「それはアイツが勝手に・・・でもやっぱり裏の顔があるのかもしれないじゃん!」


「ほんとに素直じゃないんだから!そんな事言ってるからゆきな彼氏できないんじゃん!」


「それとこれとは関係ないでしょ?顔だけで選んでたらロクな男と結婚できないわよ!」


「オイ!」


後ろで誰かの声がした。


私たちは振り向かずに足を進めた。


あっ、でもこの声って・・・


私はこの声に聞き覚えがあることに気づいて、立ち止まって後ろを振り返った。


やっぱり・・・


私が立ち止まったので、くるみが少し先で振り返った。


そして状況がわかったようで踵を返して私の横まで戻ってきた。





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