トレモロホリディ
意外な人の登場で
部屋に新しいエアコンが取り付けられてから、一週間が過ぎようとしていた。


毎晩、ミナト君とは一緒に通勤しているけれど。


なんだか会話らしい会話はなかった。


ミナト君は優しいし、一度ボディーガードを引き受けた以上、私と一緒に通勤してくれているけど。


本当は迷惑なんじゃないかなと、この頃少し不安になり始めていた。


以前は何を話そうかなんて、そんなことは一切考えずに会話をしていたのに。


この頃は、必死に話す材料を探している。


こんなこと、いつまでも続けられないのかもしれない。


自転車でも買って、一緒に通勤するのをやめた方がいいのかも。


そんなことをブツブツ思っていたら、玄関のインターホンが鳴った。
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