トレモロホリディ
行き場を失った言葉は
ついに時計は0時を回り


湊君の誕生日になった。


主役不在のまま、


21本のろうそくも


立てられることはなく、


お客様にケーキが切り分けられることになった。


私はそのケーキをいただいて、お店を後にした。


タクシーで部屋に戻ると、ボスッとベッドに飛び込んだ。




湊君…。


めぐるちゃんの熱はどうかな?


細い子だから、すごくか弱そうだよね…。


私のお肉、分けてあげたいよ。


って。


いらないか…。




12日はまだ始まったばかり。


始発で戻って来てくれるかもしれないし。


仕事を2日も続けて休んだりは、さすがにしないよね?


だから、大丈夫。


ほんのちょっとでもいいの。


少しだけ時間をくれたら。


それで充分だから…。

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