トレモロホリディ
「毎日偶然出会うなんて、運命を感じませんか?」


スロー再生したかのような、ねっとりとした低い声。


なんだかイヤな予感がした私は、足早にその場を立ち去った。


そうしたら、その男の人も早歩きで付いて来るじゃないか。


街灯の下に差し掛かった時に、チラリと見えたその人の恰好は。


背中に大きなリュック、襟付きのチェックのシャツをハイウエストのジーンズの中に入れて、ベルトをきつめに締めるといった、いかにも…のスタイルだった。


黒ブチのメガネの奥からギラギラと光る瞳が見えて、背中にゾクッと冷たいものが走った。


「つ、付いて来ないでください」


スタスタとさらにスピードを上げて歩く私。


そのスピードにピッタリくっ付いてくるその人。


ひぃぃ~っ。


まじで怖いんですけどーーー!

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