liKE ravEN

ハジマリ

私は『琥珀スミレ（こはくすみれ）』
私はどこにでもいそうなごく普通の女の子だった。
６月の雨の日、私は学校が終わって、いつも通りの道を歩いていた・・・
気付いたら見慣れない場所に来ていた。引き返そうとしても道がわからなかった。
すると目の前に小さな女の子が現れた。その子は傘もささずにじっとこっちを見ている。
「あなたを待ってたわ」
「あたしを？」
その時何故か懐かしい風景が頭の中を過ぎった。
人工的に石が積まれただけの平屋だての家のような・・・・・・
コケと草のつるが所々に生えている・・・
「これはあなたの仕業？」
「ええ、そうよ。でもこれはあなたの記憶。」
「私の？」
「そう、あなたの。そうね・・・この世界とはまた別の世界とでも言っとくわ。それよりさぁ、早く行きましょ。」
「え？行くってどこに？」
と言いながらスミレとその少女は光の中に消えてしまった・・・