クライムハザード
――行き成り何を言い出すんだ。
そう口を開き掛けた俺を、彼女は視線で制する。仕方なく、俺は口を噤んだ。
「涼子さん、すっごく怖い思いしてたんだよね。毎日鳴る電話、脅迫状」
静さんは、彼女の言葉をじっと聞いている。
「ワタシね、お姉さんを殺した犯人、すごく優しいヒトだと思うんだ」
「優しい?」
思わず、口を挟んでしまう。俺の言葉に、彼女は深く頷く。
「脅えながら過ごす日々に終止符を打った。ストーカーから助けたんだよ? 全ての苦しみからの、解放――素敵だと思わない?」
唄うように、彼女は言葉を紡いだ。
「ねぇ……静さん」