クライムハザード

「お兄サン、“もしも”のことなんて考えるもんじゃないよ」

 嘲けるように、彼は言った。

「ストーカーの件がなくても、僕はいつかオネェチャンを殺してた。その事実は変わらないよ」

「……未来を仮定することを、“事実”なんて言わないさ」

 彼の目が、驚いたように見開かれる。が、すぐに細められ、

「いいね、その目。正義だけを見つめてるって目だ」

 そして、侮蔑するように、吐き捨てる。

「君には一生掛かっても理解できないだろうね。僕のキモチは……」

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