クライムハザード
 ★

 帰り道。

 俺と彼女は、ひたすら無言だった。

 言い様のないやるせなさが、渦を巻いて胸に沈殿する。

 俺は、足を止めた。

「……聞いても、いいですか」

 俺の言葉に、彼女は振り向く。

 いつもの、あの笑顔で。

「何かな?」

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