クライムハザード
 ★

 俺たちが此処に来て随分長い時間が経った。静さんが目を覚ます様子は、まだない。

 彼女は、疲れたんだろう。ベッドの縁に突っ伏したまま、眠ってしまったみたいだ。

 このままでは風邪を引きかねないので、予備のタオルケットを肩に掛けた。

 窓の外の様子は、すっかり移ってしまった。

 白んだ空は茜色、紫味を帯びた空は、藍色にも似た漆黒へ。

 日が落ちて、月が昇った。

 壁に身体を預けた、ちょうどその頃。

 彼は、うっすらと瞼を開けた。

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