あたたかい場所


「あ、そういえば由香ちゃんこないだプレゼントしたやつ着てくれとるやん」
向かいに座った美紗が由香の格好を見て言った。

さっきは上からTシャツを着ていたから分からなかったけど、よく見れば靴も鞄もアクセサリーも。
僕たちがプレゼントしたものだった。

気に入ってくれてるならいいんだけど。


「へぇ、美紗が選んだの?」
有村さんも会話に参加する。

「そうやねん。お父さんにも一緒にプレゼント買ったんやけどな。
電話来て、照れとるんか噛みながらお礼言われたわ」


美紗の言葉を聞いて思わず笑った。


僕の所にも電話が掛かってきて、噛みながらありがとうと言われたことを思い出したからだ。



「可愛らしいお父さんだね」



有村さんの言葉もあながち間違いじゃない。
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