あたしの証~番外編~

▽復讐



「…俺、裏切られたーとかあんまないから、わかんないけど…。
夏樹がそこまで言うなら余程なんだよな」



依然として眉を下げたまま哲は言う。




「………哲、ありがとな」


「はあっ?」


いきなりの俺の言葉に哲が眉間にしわを寄せる。




「…今のは気にしないで。
こんな復讐誰にも言う気なんかなかったけど、哲には言っとこうと思ってさ」


「……夏樹…」






哲は下げてた眉を上げて、俺の背中をバンバンと叩いた。



「いってぇ…」


「夏樹っ、騙すなら完璧にやれよっ!
中途半端に情なんか持つなよ!
辛くなるのは夏樹だから」


…………






哲の言葉はすんなりと頭に入った。
だけど、これからの俺の心はその言葉を拒否するんだ。
< 100 / 473 >

この作品をシェア

pagetop