あたしの証~番外編~

▽空っぽ

その日はすぐに寝てしまった。
何もする気が起きなくて。

翌日、目覚めると俺は真っ先に携帯をチェックしていた。


あかりから連絡なんて来るわけないのに。


代わりにしほからメールが来ていた。


【今日、家に行っていい?】



それを黙って読むと、俺は携帯を閉じた。
今は返信する気になれない。


今日も仕事だ。
準備しないと。


シャワーを浴びて、簡単に支度をすると俺は部屋を出る。
TATTO STUDIOに到着すると、既に仕事の準備をしているきょうさんに挨拶をした。


「おはようございます」

きょうさんは俺を見ると、笑顔で

「おはよう」

そう言った。


「何すればいいですか」

「……なつ、なんか目腫れてね?」

「そうっすかね?」

「何かあったか?」

「…いえ、何も」

「そうか?何かあったら言えよ」


気持ちは嬉しいが、あかりとの事を報告なんて出来るわけない。
例え、俺のタトゥーの意味を知っていたとしても、だ。

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