冷たい君が一途に好き＊幼なじみに片想い＊(仮)

「あたしはね、風麻の全部が好きだよ。
風麻を好きになったのは、5歳のときなんだけどね…

あたしが男子にからかわれてたら風麻が助けてくれて。

その後、黙ってあたしのそばにいてくれたんだよ。

だから、その口に出さない優しさがあたしは好き」



俺は黙って萌加の話を聞いていた。



…5歳から好きだったのかよ。



どんだけ前？


つか…んな笑顔で…よく恥ずかしいことサラッと言えるよな。



「………あっそ」



興味無さそうに、冷たく返事をする俺。



初めて…萌加が俺を好きな理由を知った。



「あっそ…って！
風麻、もっと何かないのー？」




隣で萌加が不満そうにしている。



「…何もねぇよ」




「えー！？ せっかく勇気だして言ったのになぁ…」




へぇ、勇気だして言ったんだ？




つーか…久しぶりにこんな話したな。



案外…悪くないな。





そしてお互いの家に着いて、萌加が「風麻ばいばいっ」と手を振ってきた。



いつもなら無視すんだけど…



「……じゃな」



小さくそう言って、俺はそそくさと家の中に入った。