三十路前の綴り
虐殺
その当時、
飼っていた子猫の
レオと一緒に
横になっていた。

出掛けて
帰って来た、
浩がその光景を
見るや否や、
私の腕の中で
寝ていたレオを
私からガバッと掴み
奪い取り、

『俺よりも猫のほうが大事なんかッッ!!』

と、いきなり
激怒しだした。

浩がレオの
体をギュッと
力いっぱい握り締めた後に、ワンルームの白い壁に叩き付けた。

その瞬間
レオの耳からは
血がピシャと流れ出た。

レオのお尻から
水気のようなものが
出ておりレオは
グタッとなったままで、還らぬ命となった。

私は
泣き叫び、
発狂した。

『何してんよぉぉ─?!』

と叫ぶ私の髪を掴み
殴る蹴るの暴行。

このままだと
お腹の子供が
殺されてしまう!!
そう思い
一瞬の隙を狙って
裸足でそのまま
実家へ走って
帰った。
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