三十路前の綴り
曖昧な記憶
その後は
記憶が曖昧で
はっきり
覚えていない。

ただ覚えているのは
いつ戻ったのか
母が私を
必死で押さえつけていた部分と救急車の中、
そして、
また精神病院に
運ばれ
固い壁と
室内にあるカメラと
和式のトイレ、
そしてマットレスが
あるだけの部屋に
男の看護士さんに
押さえつけられて
閉じ込められた事。

その後の
記憶も曖昧で
記憶が確かに
なったころには
観察室という
詰め所横にある
病室の窓際のベッドで
腕、脚、胴を
抑制帯で動けないように固定され横になっていた。

紙おむつを
つけられていた。

< 70 / 86 >

この作品をシェア

pagetop