絶望の部屋
過去
柔道二段、空手三段、ボクシング中学の部チャンピオン、剣道一段、そして何より得意だったのは居合い切りだった。


僕に刀を持たして右に出るものはいないかった。



体を使う競技で負けることはほとんどなかった。



あの事件までは…。




パリンッ



ある日の夜ガラスの割れる音と同時に何発かの銃声がなった。



僕が刀を持って外に急いで降りたときにはもぉ両親と妹は捕まっていた。



部屋は暗く犯人の顔も姿もほとんど見えない。



犯人は僕に気づいてなかった。



両親も僕だけでも生かそうとして家族はこれだけだと言っている。



あの時おとなしく逃げればよかったものの僕は自分の剣腕を信じすぎて犯人だけを倒せると思い気配を消してゆっくり近づいていった。




犯人は一人で僕の家族の手に縄を結びつけているところだった。



僕は薄暗いなかそれを目を凝らして見て犯人の真後ろに立ち刀を抜き峰打ちで叩いたつもりだったが寝ぼけているのと暗さで刃の方向けていた。


そして犯人のつもりで斬ったのは自分の父親だった。


犯人に命令され妹に縄を結んでいたところだったらしい。




僕に気づいた犯人は逆上し妹と母さんを撃った。



僕がパニックになってる間に母親と妹まで撃たれてしまい僕は考えることが出来ずただ刀を振り回し犯人を殺した。



もし僕がおとなしく隠れていて両親が命令通り金さえ出していれば誰も死なずに済んだかもしれない。



自分に酔った僕の間違った判断で母親と妹を殺し、そして自分の父親の首をはねた。



無情にも転がる三人の死体。



僕は死体に近づくことすらできなかった。



そして五分後に銃声を聞きつけ一成と瑠璃の家族が警察を呼んできた。


家の電気がつけられ警察が部屋に入ってくる。


そこにたっているのは返り血をあびて真っ赤になり、犯人を合わせ四人の死体に囲まれてる僕だけだった。


「ゆっ…ゆうや…?


どうしたのよ」と瑠璃が声をあげた。



「これ全部俺がやったんだ。全部俺が…。」



「うそだろ悠哉。なにがあったんだよ」と一成も声をあげる。



「刀を抜いたら…。」僕は自分の刀を見て怖くなった。



あの鈍い感覚が手に残っていて怖くなり刀を下に捨てただ叫ぶことしかできなかった。
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