素直じゃなくて何が悪い

遠足



春の行事のメインであろうイベントが、この春の遠足だ。


この遠足でクラスの友達との仲を深めるのが主な目的らしい。


が、春のこの日差しの中、目的地まで約2時間歩き続けるこの遠足は生徒から不評だったりもする。

さっきから隣で詩帆が

「あーつーい!!まじで日焼け止めなくなるって!!私が使ってるの結構高いんだけど〜」


と不満タラタラである。



「ねぇ!なんで咲良はそんなに余裕そうに歩いてるの?私だって吹奏楽部だけど、咲良だって放送部じゃん。」


「え、別に余裕じゃないよ。人並みに疲れてます。」


「じゃあもうちょっと、人並みに疲れた顔をしたらどうですか〜」


人並みに疲れた顔とは?というツッコミは、あえて心の中でしておく。



「私、中学で運動部だったから。それでかな?少しだけ体力はあるかも。」



「えっ、まじで?咲良が運動部?なんかチームプレーとか苦手そう〜」



そう言ってケラケラ笑うんだから、詩帆だって言うほど疲れていないんだろう。


「まぁ、たしかに個人競技だったね。」




そんな話をしていたら、目的地の少し有名な公園についた。そこにはキャンプ場も隣接してあり、今日はそこで各班に別れて炊事をするのが主なイベントである。

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