妖精と精霊と人間と
夜。叔父が寝入ってから、彼は寝室から出た。そして、一直線に時計の元へと向かった。不自然に真新しい時計。錬金術で直した痕跡がはっきりとあった。それに再び錬金術で力を加えると、ガコンという音がして、時計は壁の中へと沈んで、床に埋まっていった。深呼吸をすると、大木槌を握った。ロウソクの火をともすと、ずんずん奥に進んでいく。ある一定の距離まで進むと、目の前に扉が現れた。あきらかに、錬金術で創られたものである。この部屋も、錬金術で創られていた。リデロは、大木槌で再び壁を破壊した。
破壊の時の爆音と砂煙が消えると、目の前にやせ細ったドワーフが居た。壁から吊るされ、口に猿ぐつわを噛まされたその目に、もはや生気はなかった。古ぼけた布切れ一枚が、彼女の身を包んでいた。
「リベロ!」
リデロは叫ぶと妹の元へと走った。その言葉を聞いた妹の目に、生気が戻る。カツーンと言う音と共に、ロウソクが台もろとも床に転げ落ちる。
破壊の時の爆音と砂煙が消えると、目の前にやせ細ったドワーフが居た。壁から吊るされ、口に猿ぐつわを噛まされたその目に、もはや生気はなかった。古ぼけた布切れ一枚が、彼女の身を包んでいた。
「リベロ!」
リデロは叫ぶと妹の元へと走った。その言葉を聞いた妹の目に、生気が戻る。カツーンと言う音と共に、ロウソクが台もろとも床に転げ落ちる。