あふれる涙のドロップス

 *  *  *



「じゃあ、時間も時間だし、そろそろ帰るか」




 言葉とは裏腹に、名残惜しそうな顔をした海斗。
 依然、隆は眠ったままだ。



 倒れてからずっと眠り続けているが、その瞼の下には、どのような思いが隠されているのだろうか。




 南さん、気づいてるのかな______?




 海斗とどこかで話してきた南さんの綺麗な顔を、ちらりと盗み見る。



 
 できれば、隆の想いは、叶ってほしい。

 
 南さんにも、素敵な恋をしてほしい。




 人の過去は見えないけれど、幸せになってほしい、と思う。



 
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