君と歩く未知
秋風とともに…
 アタシはそれから走って学校を飛び出した。
やっぱり、カズくんに全て打ち明けなくちゃダメなのかも知れない…!
全て打ち明けたら、きっとまた仲良く笑い合えるよ…
また二人付き合うことができるよ…
アタシは息を切らしながら、ちょうど通学・通勤ラッシュで混んでいる駅へと向かった。
そこに行けば、カズくんに会えるかも…!
 だけど、途中で誰かに呼び止められた。
「弥生っ!おい、弥生だろ!?」
アタシが通り過ぎた場所から、聞き慣れた声がする…
アタシが振り返ると、そこには竜平くんがいた。
竜平くんは走ってアタシの元まで近付いて来る…
竜平くんにカズくんのことを聞いてみようかと思ったけど、無理だった。
竜平くんが近付くにしたがって、アタシの体が震える…
「弥生、この間は悪かったな。文化祭の前日、オレと一緒にいたばっかりに疑われちゃったんだろ?…イヤ、今はそれどころじゃないな…和哉から聞いたよ…」
アタシは後退りしながら、恐る恐る尋ねてみた。
「カズくん…何て言ってた…?」
竜平くんは言いにくそうな顔をして、アタシの目を見た。
そして、一つ溜め息をついたかと思うと、ゆっくり話し始めた。
「…弥生と別れた方が良いかも知れないって。弥生はオレのこと嫌いになったみたいだから…って言って、泣いてた…」
アタシは間髪を入れずに叫んだ。
「ねぇ、なんで!?…なんでこんなことになっちゃったの?アタシ、わかんないよ…わかんない…」
そしてアタシはその場に座り込んだ。
こんな風に泣いていたら、竜平くんが心配するよね…
でも、もうこの涙は止まらないの。
アタシの体は言うことを聞いてくれないの…
「おい、弥生。しっかりしろよ、和哉ともう一回話し合えよ…」
竜平くんはそう言ってアタシの肩に触れた。
その瞬間、アタシの体に悪寒が走る…
「ヤダっ!!触らないでっ!!」
アタシはそう言って竜平くんを拒んだ。
ごめんね…ごめんね、竜平くん。
カズくんのことも、竜平くんのことも、心では大好きなんだよ?
でもね、ダメなの。
体と心が離れちゃったみたいな感じなの…
どうしたら良い?
ねぇ、神様。
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