君と歩く未知
 みんなはご飯を食べて帰るって言っていたけど、アタシは食欲が湧かなかったため、先に帰ることにした。
カズくんが心配して、送ってあげるって言ってくれたけどアタシはそれを断った。
だって本当に気持ちが悪くて、家に帰る途中で吐いてしまいそうだったから。
カズくんにそんなところ見せたくないもん…
 でも実際、地元の駅のトイレで一度吐いてしまった。
やっぱり風邪をひいちゃったんだ…
なんだか熱もあるような気がする…
早く帰って休もう。
ちゃんと体を休めれば、きっとすぐに良くなるよ。
元々アタシは体が丈夫な方だもん。
それに、元気になって早くカズくんと遊びたいもん。
そう思ってアタシは足早に家へ向かった。
 でも、その時アタシの胸に一つの希望が芽生えた。
そしてアタシは歩いて来た道を走って逆戻りした。
頭の中では忙しなく考えが行ったり来たりしている。
カズくん…もしかしたら、そうなのかも知れない。
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