好きと言えなくて
小さな部屋でふたりっきりになると同時に、正義は私をベッドに押し倒す。

……と、言うよりは、ご主人様が帰ってきて嬉しさのあまりとびつく、犬のようだ……。

「待って! 先にシャワー浴びよう?」

私の言葉も、正義の耳には届かない。

「葉子さん、めっちゃええニオイする」

首筋のあたりを愛撫しながらそんなふうに言われると、体中が熱くなってくる。目を閉じて、正義の愛を感じる。

「葉子さん、めっちゃ好き……」

私も……正義が好き……。素直には、口に出せないけれど……。
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