好きと言えなくて
こじれる
「ほんで、いつからアンタらは、エエ仲になったんや?」

宇和島さんがいらん質問を投げかけた。

「それが、まだなんですよ! 喜多さん、彼女がいるみたいで……」

「なんや、正義くん! 彼女いてたんか?」

「ええ……へへっ……」

正義は、頬を赤らめながら私に視線を送ったが、私は、その視線を受け止めなかった。

「松山さんは、夕陽化成の西条さんと親しいみたいですよ!」

この小娘が! いらんこと言いよってに!

「葉子ちゃん、そうなんか?」

社長が口を挟む。

「違います。今日、偶然お昼に商店街で会ったから、食事をしただけです」

「でも、社長は知りはらへんと思いますけれど、西条さん、ときどき松山さんに会いに来てるんですよ?」

「えっ!?」

私と正義が、同じタイミングで声をあげた。

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