好きと言えなくて
「おはようございます」
翌日、いつものように出勤した。
正義と、ふたり仲良く。
「おはよう! 今日は仲良く出勤かいな?」
社長に冷やかされ、顔を見合わせたふたりは、微笑み合った。
「昨日は、お騒がせしました。社長、お騒がせついでにお話ししたいことが、あるんですけれど……」
「なんや?」
「実は昨日……葉子さんから……」
正義はそこまで言うと、社長の耳元でヒソヒソと話した。
「えっ!? 葉子ちゃん、男前やな!」
私は、笑いながら頷いた。
「どうしたんですか? 三人でコソコソ話して……」
私たちの様子を伺っていた、うららちゃんと宇和島さんが歩み寄ってきた。
「六月の誕生日に……籍を入れることにしました……へへっ」
正義が、照れ笑いを浮かべた。
「おめでとうございます! 正義さん、ついにプロポーズをしたんや!?」
うららちゃんが正義をバシッと叩いた。正義は、頭をポリポリと掻きながら、チラッと私に視線を送った。
「プロポーズは……葉子さんからの、少し早い誕生日プレゼントやねん……」
逢坂橋筋商店街、ナニワヤ金物店ではただいま、従業員を募集中。
学歴、経験、年齢等不問。要免許。
男女問わず、明るく、ヤル気のある方、お待ちしております!
(おしまい)
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「おはよう! 今日は仲良く出勤かいな?」
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「昨日は、お騒がせしました。社長、お騒がせついでにお話ししたいことが、あるんですけれど……」
「なんや?」
「実は昨日……葉子さんから……」
正義はそこまで言うと、社長の耳元でヒソヒソと話した。
「えっ!? 葉子ちゃん、男前やな!」
私は、笑いながら頷いた。
「どうしたんですか? 三人でコソコソ話して……」
私たちの様子を伺っていた、うららちゃんと宇和島さんが歩み寄ってきた。
「六月の誕生日に……籍を入れることにしました……へへっ」
正義が、照れ笑いを浮かべた。
「おめでとうございます! 正義さん、ついにプロポーズをしたんや!?」
うららちゃんが正義をバシッと叩いた。正義は、頭をポリポリと掻きながら、チラッと私に視線を送った。
「プロポーズは……葉子さんからの、少し早い誕生日プレゼントやねん……」
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学歴、経験、年齢等不問。要免許。
男女問わず、明るく、ヤル気のある方、お待ちしております!
(おしまい)

