幸せになっていいですか
あまり会話をしない父が、今日は話始めた。

仕事のこと、家庭のこと、困っていないか、

まぁどれだけ心配しているのか?というぐらい色々聞いてくる。

「父さん、大丈夫やから。私は何も苦労してないよ。幸せすぎて怖いぐらい」

「それやったらええ・・」それ以上言わなかった。

「父さんって母さんとの恋愛ってどんなやった?」と突然聞いてみた。

飲んでたコーヒーを吹きだした。

「何か聞いたか?」

「何も・・」ちょっと嘘をついた。

「俺達も大変だったかもな・・・」とポツリと言った。

「そっか・・父さんも継いだもんね・・」

「だから一哉くんの気持ちもわかる・・・何もできない自分を変えてくれたのが母さんやった」

「ふーん。母さん頑張ったんやね」

「今の真理より凄いぞ」

「聞いてみたいわ」

「・・聞かんでええ」照れ臭そうに言った。

(父さんごめん。母さんから聞いたから。父さん愛されてたんやね・・)

「じゃ私もがんばるわ。母さんみたいに」

「母さんより怖い女になるなよ」とこそっと言った。

その言葉に二人で大笑いした。

こんな楽しい朝食を父さんと一緒にできたことは嬉しかった。

もっと同じ時間を過ごしたらよかった・・・と少しの後悔も心に残った・・・。

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