幸せになっていいですか
「一哉さーん起きてくださーい」

ぐっすり眠ってる・・・。

「あの~良樹さんと加奈子が来てますので・・・起きて・・・起きろ」ぐっと鼻をつまんでみた。

「う~ん・・おはよう・・真理さん」薄っすら目を開けた。

(その寝起きの顔。かっこよすぎます・・・)

「早くしてください。良樹さんと加奈子が待ってますから。勘違いされても困りますし・・」

「いいよ。させておけば・・」また寝ようとした。

ダメだと思い腕を引っ張ったら、すっとベットから起き上がった。

「先行ってて。ちゃんと整えてから行くから」

「じゃ 来てくださいよ」念を押してリビングに戻った。

リビングでは良樹さんと加奈子がお昼ご飯を用意していてくれた。

「ごめん勝手に使ってるよ~」

「どうぞ。ご自由に」

「真理の家ってこんなに殺風景だったかな?」

「あ~。全部捨てたからじゃないかな」

「捨てた!いつ?」

「昨日」

「昨日!やったねとうとう。真理~がんばったじゃん。」

「何も頑張ってないよ。さよならしただけ」

「真理ちゃん。後悔もないんだね。」

「はい。みなさんのおかげです」とニコッと笑って答えた。

「おはよう・・・」とあくびをしながら歩いてきた・・・

「一哉!」「一哉さん!」

「へっ?何?」

「もう。ここにいるなら電話しろよ~。何回電話したと思ってんだよ!」

「わりぃ~見てなかったわ」

「そうよ良樹さんあれからの飲み会、大騒ぎよ。私なんか質問攻めよ!」

「ごめんな。加奈子さん。まっそういうことだから・・・」

とキッチンカウンターでお茶を用意している私と目が合った。

「何?」

「何でもないよ」と笑ってくれた。
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