嘘つきなポーカー 1【完】

「…華代。私、小野寺薫のこと好きになっちゃったみたい。」


由佳が作り笑いをしながら呟くと、華代は優しく微笑んだ。


「そっか。やっと気付けたんだね。」

「華代…気付いてたんだね。」

「うん、気付いてたよ。」


華代はそう言うと、続けた。


「1人で抱え込んで、つらかったでしょ？」

「…うん。」

「これからはもっと私に相談して？私のこともっと頼って？」

「ううん、もう大丈夫。もう終わりにする。」


由佳がそう呟くと、華代は「どうして？」と尋ねた。


「だってもう小野寺薫とは縁を切ったし、今更どうにかしようとしたって無理……」

「由佳ちゃん！逃げるな！」


華代は由佳の言葉を遮って、きつい口調でそう言った。